蒸れない暖かさを実現する - 和雲の「Down-Breathe®生地」

by 株式会社和雲 2025年2月24日

現在、日本で販売されている羽毛布団のほとんどは、「ダウンプルーフ加工」という側生地の目地をつぶす加工が施されています。これは羽毛の吹き出しを防ぐための加工ですが、通気性が低下し、布団内が蒸れやすくなるというデメリットがあります。

和雲は、羽毛布団の性能を最大限に引き出すために、ダウンプルーフ加工をせずに羽毛の吹き出しを防ぐ、特注の側生地を開発しました。

「蒸れない暖かさ」を実現する和雲のDown-Breathe®（ダウンブリーズ）生地についてご紹介します。

羽毛布団の品質を左右する側生地の通気性

人は眠ると汗をかき、体温を下げることで深い睡眠に入ります。しかし、布団の中の湿気がうまく逃げないと、蒸れて体温調整がうまくいかず、熟睡を妨げてしまいます。

本来、羽毛は湿気を吸収し、放出する機能を持つ天然素材です。しかし、通気性の悪い生地を使うと、空気の通り道が塞がれてしまい、どれだけ良質なダウンを使っても、その性能を発揮できません。

そのため、側生地の通気性は、羽毛布団の快適性を決める重要なポイントになります。

下の写真は、一般的なダウンプルーフ加工された生地と、和雲のDown-Breathe®生地を450倍に拡大した顕微鏡写真です。

糸の太さがまったく違うことがわかります。糸が太いと織り目の隙間が大きくなり、羽毛が吹き出しやすくなるため、通常は樹脂コーティングなどで隙間を塞ぐダウンプルーフ加工が施されます。

しかし、ダウンプルーフ加工は生地の通気性を低下させるため、布団の中が蒸れやすくなります。

和雲のDown-Breathe®生地は、極細の糸を超高密度に織ることで、羽毛の吹き出しを防ぎながらも、目に見えない微細な通気口を確保。

軽くて通気性の良い、理想的な側生地を実現しました。

生地の通気性は「通気度（cc/s）」という指標で測定されます。

和雲のDown-Breathe®生地は、ポリエステルの13倍、一般的な綿100%のサテン生地と比べても約4倍の通気性を実現。

羽毛は、寒いときは膨らんで保温し、暑いときは湿気を逃がして涼しくする「天然の空調機能」を持っています。この機能を最大限に生かすためには、通気性の高い側生地が不可欠です。

和雲のDown-Breathe®生地は、一般的な綿100%の生地より約38%も軽量。そのため、羽毛が自然に膨らみ、最高の保温性を発揮します。

また、軽さの秘密は、超長綿の極細糸を平織りで仕上げたこと。一般的な羽毛布団の生地はサテン織りですが、和雲では100番手の極細糸を超高密度に織ることで、軽さと滑らかさを両立しています。

極細の糸を高密度に織るには、織るスピードを極限まで落とし、一本一本を丁寧に整える高度な技術が求められます。糸が細い分、製織時に切れやすく、一般的な織物よりもはるかに手間と時間がかかります。

和雲のDown-Breathe®生地は、特別な工程で精密に管理され、大量生産では実現できない日本の職人技が息づいています。

「通気性が良いと、羽毛が吹き出したり、ダニが入りやすいのでは？」と思う方もいるかもしれません。和雲では、徹底した品質チェックを行い、「羽毛の吹き出し検査」と「ダニ通過性検査」を実施。

ミニサイズの羽毛布団を作り、専用機械で1万回繰り返し押しつぶし、羽毛の吹き出しを検証。

結果：抜けた羽毛は、わずか2～3本。通常の使用環境では、ほとんど問題にならないレベルです。

生ダニ約1万匹を使い、24時間で何匹のダニが生地を通過するかを調べる「ダニ通過性試験」を実施。

結果：ダニ通過数0匹。和雲のDown-Breathe®生地は、ダニの侵入を完全に防ぐことが証明されました。

最高の羽毛布団を実現するために、和雲がこだわり抜いたDown-Breathe®生地。極細糸で丹念に織られたこの生地は、驚くほど軽く、しなやかで、羽毛の性能を最大限引き出します。

見た目には違いがわかりにくく、地味な存在ですが、羽毛布団の品質を決める重要な要素です。

暑いときは涼しく、寒いときは暖かい。まるで魔法のような「蒸れない暖かさ」を、ぜひ体感してください。