羽毛の原毛は水鳥由来の天然素材であり、そのままでは衛生的とはいえません。

そのため、どれだけ手間とコストをかけて洗浄・精製するかが、羽毛布団の品質や価格に大きく影響します。

現在、多くのメーカーがコスト削減のために羽毛の洗浄・精製を海外工場に委託していますが、和雲ではすべての製造工程を日本国内で行っています。

ここでは、原毛の入荷から和雲の羽毛布団が完成するまでの全工程を公開します。

羽毛原料の入荷と保管

羽毛原料の入荷
羽毛原料の入荷

和雲の羽毛を洗浄・精製する河田フェザーの工場は、農林水産省から国内唯一の動物検疫指定工場に認定され、防疫体制が万全です。

各生産地から入荷した原毛は、防虫対策を施した専用倉庫で保管。さらに、原料倉庫と精製工場の出入口を分けて封鎖し、洗浄前の羽毛と洗浄後の羽毛が混ざることを防いでいます。

羽毛は天産物のため、同じ産地・飼育期間であっても品質が一定ではありません。そのため、蓄積したデータと専門資格を持つ検査員の経験を活かし、入荷時に品質を厳格にチェックしています。

除塵(じょじん)工程

羽毛の除塵機
羽毛の除塵機

羽毛にはホコリやアカ、油脂分などが付着しており、これらが嫌な臭いや、羽毛の温湿度調整機能の低下を引き起こすため、徹底的に除去する必要があります。

本格的な水洗いの前に、まずは除塵機でホコリやアカを取り除く工程を行います。この工程により、水洗い時の汚れの落ちやすさが向上します。

処理後の羽毛は静電気防止のため木製のサイロに集められ、計量されます。

洗浄工程

大量の水で行う洗浄工程
常に新しい水で行う洗浄工程

除塵された羽毛は専用の洗浄機に投入され、徹底的に洗浄されます。

和雲の羽毛が業界基準の4倍の清潔さを実現できる理由は、羽毛同士をぶつけて洗う「研ぎ洗い」技術と、羽毛の洗浄に使う「超軟水」です。

鉱物を含むミネラル水や水道水では羽毛を完全に洗浄できません。和雲では、植物由来の石けんを使用し、一度使った水は再利用せず、常に新しい飲用可能な水で洗浄しています。

洗浄後の水は環境基準を遵守した高度な処理を施し、排水しています。

乾燥工程

洗浄した羽毛の乾燥
羽毛の乾燥機

洗浄後の羽毛は専用の乾燥機で瞬時に乾燥させます。

通常は120℃で20〜25分かけて乾燥するところ、和雲では150℃の高温で短時間で乾燥。羽毛についた水分が瞬間的に水蒸気に変わることで、ふんわりとした羽毛に仕上がります。

乾燥に時間をかけないことで羽毛に負荷をかけずにすみ、濡れた羽毛にわずかに残っていたアカが剥がれ落ちる効果や、高温による減菌や消臭の役割もあります。

冷却と再除塵工程

羽毛の冷却除塵機
冷却除塵機

乾燥後の羽毛は常温に冷却した後、さらに目に見えないホコリやアカを除去するため、再度除塵機に投入します。

通常の羽毛メーカーでは行わないこの工程を経ることで、日本最高レベルの清潔な羽毛を実現しています。

羽毛を乾燥させると小羽枝(しょううし)と呼ばれる部分が開きます。

顕微鏡で見ると、一見綺麗に見える羽毛も、小羽枝(しょううし)の根元にホコリやアカが付着していることがわかります。

洗浄前と洗浄後の羽毛
汚れが付着している洗浄前の羽毛(左写真)と細部まで綺麗になった洗浄後の羽毛(右写真)

本当に清潔で綺麗な羽毛を精製するためには、乾燥させて小羽枝(しょううし)が開いた状態で、さらに除塵し付着物を徹底的に取り除くことが必要です。

羽毛選別工程

羽毛の選別機
選別機

綺麗になった羽毛を世界最大級の選別機に投入し、風の力を利用してダウンとフェザーを選別します。

ダウンは軽くふわふわと舞って上の出口に運ばれ、羽軸がある重いフェザーは手前の部屋で下に落ちて選別される、という仕組みです。

選別後、専門資格者が目視で羽毛の飛び具合を確認し、適正な選別が行われているかをチェックします。この工程で、除塵機で取り除けなかった微細なゴミも除去されます。

品質チェック工程

和雲の羽毛布団には、JIS規格に加え、独自の厳しい品質基準が設定されています。

組成混合率試験

組成混合率検査の様子
組成混合率検査の様子

精製された羽毛をJIS規格で定められた8種類(ダウン、スモールフェザー、ラージフェザー、ダウンファイバー、フェザーファイバー、損傷フェザー、陸鳥フェザー、きょう雑物)に分け、それぞれ何パーセントずつ含まれるか割合を調べます。

人間がピンセットを用い、非常に細かい作業を行います。

ダウンとフェザーの割合がどれくらいの比率か、羽毛以外のものが混じっていないか、というのは羽毛布団の品質においてとても重要です。

かさ高性試験

かさ高性試験の様子
かさ高性試験の様子

羽毛の反発力を測定し、ダウンパワー(dp)を数値化します。

温度が20℃、湿度が65%に保たれた試験室で羽毛を1日以上放置して状態を安定させた後、筒状のかさ高測定装置に羽毛を入れ、上から円盤によって荷重を掛け、羽毛の体積を測定します。

羽毛がどれだけの高さで円盤を支えられるか、つまり、羽毛の反発力をスケールのメモリで計測します。

この反発力が高いほど、フカフカにふくらむ、いわゆるかさ高性の高い羽毛と言えます。

清浄度試験

清浄度試験
清浄度試験のガラス筒(透視度計)

羽毛を浸した水をガラス筒(透視度計)に入れ、底の印が見える度合いを確認します。

500mmの長さのガラス筒で底が見えた場合、「清浄度500mm」となります。

JIS基準が500mmであることから、高級羽毛布団の中には「清浄度1,000mm、業界基準の2倍」をうたう商品もありますが、和雲では、さらに厳しい清浄度2,000mmの基準を定めています。

数値の上でも、和雲の羽毛布団が極めて清潔なことが実証されています。

その他の検査

この他にも羽毛の表面に付着している有機物の量を調べる「酸素計数試験」や羽毛に含まれる油脂分を調べる「油脂分率試験」など、様々な検査が存在します。

JIS規格で定められた基準に独自の品質基準を追加し、羽毛のプロとしての誇りをもって、品質の向上と安定化に努めています。

充填と縫製

日本国内での充填と縫製
日本国内での充填と縫製

全ての工程を内部資格認定者が確認し、厳格な品質チェックを通過した羽毛のみを、和雲独自のDown-Breathe(ダウンブリーズ)®生地に充填します。

市場には最終工程のみ国内で行い、「日本製」と表示している羽毛布団も多く存在しますが、和雲は洗浄から精製、充填、縫製まで全て国内で行う「完全日本製」にこだわっています。

国内で品質を細かくチェックすることができるため、自信と誇りをもって「自社製品の素晴らしさ」をお伝えすることができます。

出荷

こうして、長い工程を経て仕上げられた羽毛布団が、お客様のもとへと届けられます。

和雲の羽毛布団は、妥協のない品質で、何十年にもわたり心地よい眠りを支えます。

全ては最高の眠りをお届けするために。和雲の純日本製羽毛布団をぜひ、お試しください。